tennis365.net テニス365ブログ 新着記事を読む ]    [ テニス365 ホームショッピングニュースログイン ]

テニス教室 in 西アフリカ・ベナン共和国 テニスにはじめて触れる人たちへテニスの楽しさを紹介するために、西アフリカ・ベナン共和国に行ってきます!

しの
最近の記事
最終回~ さよならベ…
04/24 00:48
ゾマホンさん
03/07 22:28
ベナン最後の日
03/02 00:26
ウイダーへ
02/13 01:46
最後のレッスン
01/30 00:43

最終回~ さよならベナン

あわただしくゾマホンさんと別れたあと、いよいよ出発の時間が迫ってきた。

アジャホのパソコンに、今回の滞在で撮った写真を転送する。
その多さにびっくりするとともに、4日間の思い出が次々とよみがえる。

歳を取ると涙腺が緩むというけれど、1万4千キロという距離は再会を誓うにはあまりにも遠すぎる。
何か話すと、そして目が合ったら泣いてしまいそうで、ずっとうつむき加減で交わす言葉も少なくなる。


とうとう搭乗開始の時間になる。

皆が一斉に立ち上がる。

お世話になった皆さんにお土産を渡そうと紙袋を持って顔を上げる。
笑顔のソトウさんの顔を見たとたん、涙があふれ出す。

どこかで冷静な自分もいて「いいオッサンがこんな事でウルウルして情けない!」
と自分を嘲笑しているのだけれど、とにかく言葉に詰まって何も伝えられない。
お土産も一人ひとりに渡したかったのだけど、できそうにない。

「・・・これは皆さんへのプレゼントです。申し訳ないけれど後で皆さんで分けて欲しい」
それだけしか言えず、ソトウさんと固く抱き合う。
そしてアジャホやベナンのスタッフの方々と次々と別れの挨拶が交わされる間も、
僕は一言も話すことができず、ただただ抱き合う。


ほかのみんながセキュリティーゲートを通過するのに遅れてゲートを通過する。
真っ赤な目の情けない顔を見られたくなかったからだけど、たぶんみんな気づいてると思う・・・。

振り返るとスタッフの皆さんが大きく大きく手を振ってくれている。
こちらもなんとか笑顔で手を振りかえす。

ここに来て、さっきはろくにお礼を言っていなかったことに気づく。
大きな声で、フランス語で、英語で、フォン語で「ありがとう」を叫ぶ。

4日前に到着したときには不安な気持ちで降りた飛行機のタラップを、
今夜は万感の想いで一歩ずつ上がる。

最後に待合室に向かって大きく手を振る。
さよならベナン。


飛行機はほどなく地上滑走を開始する。

職業柄?離陸する方向は分かったので、離陸する頃にきっと待合室やいつも見ていた
砂まみれの旅客機が見えると思い、左側の窓をずっと見続ける。

離陸滑走が始まり景色がどんどん流れていく中、待合室が目に飛び込む。
続けて機体が浮揚した次の瞬間、黄色がかった明かりの中に
毎日ホテルを出ると車の中から見てきた、その旅客機も見ることができた。

すーっと体から力が抜けるような不思議な感覚におそわれる。
ベナンで体験した色々な出来事を思い出しながら、眠りにつく。


目を覚ますとまだ空は暗いものの到着までにはあと少しらしい。
そしてパリでは雪が降っているとのこと。
エールフランスの寒い機内にいると、あのベナンの熱気がまるでうそのようだ。

まるでベナンでの出来事が夢だったようにさえ錯覚する。
あらためてこの旅が終わったことを実感する。

思い出すのはベナンの人たち子供たちの笑顔笑顔笑顔!

もしこの活動でテニスが少しでも普及してくれたとしたら。
そしてその便りを聞くことができたなら、
必ずまた皆さんに会いに行きます。

ありがとう!



おわり
日記 | 投稿者 しの 00:48 | コメント(2) | トラックバック(0)

ゾマホンさん

いよいよベナンを離れるためにホテルを出て空港に向かう
・・・はずだったのだが、ドライバーのコフィーやケビンがいない。
まあいつものことなのだけど、遊びに行ってたりナンパしてたりして、
ちょっと困るんだけどなぜか憎めない。
少し待っているとようやく帰ってきて、お世話になったホテルを出発する。

空港に到着して今度こそチェックインできると思っていたのだが、
一般の乗客のチェックインが終わる夜10時まで待てとのこと・・・。
仕方ないので一人カウンター脇でずっと待つことにした。

カウンターの職員に時々視線を送ってプレッシャーをかけてみるものの、
やはり早めにチェックインはしてくれない。

しばらくしてセキュリティーの外をみるとNさんが僕を呼んでいる。
セキュリティーエリアを仕切る扉を少し開けてもらって話を聞くと、
ゾマホンさんがいて我々のグループと話をしているとの事。
残念ながらチェックイン優先なので、ここを離れることができないと言うと、
わざわざ全員が揃うまで待ってくれて、あとで記念撮影をしてもらえるとの事。

日本ではゾマホンさんとはうまく連絡が取れず、ベナン出発までにお会いすることができなかったのだが、
こうしてベナンでお会いすることができるとは思ってもみなかった。

心配だったチェックインも無事終わり、行きと同じく皆と一緒に帰ることができる!と握手する。
いつも心配させてすみません・・・。

我々が待機させていただいている特別待合室でゾマホンさんと会い握手をする。
彼は日本からのテレビの取材スタッフを迎えるために、空港に来ているそうだ。

とにかく忙しそうに動き回っていたが、僕がチェックインをしている時に、
我々との話し合いの時間を作ってくれたそうだ。
そして「命がけでよく来たねー!」と言ってくれたらしい。

記念写真を撮ってあわただしくゾマホンさんとお別れする。

いよいよ飛行機の出発時間が近づいてくる。


続く
日記 | 投稿者 しの 22:28 | コメント(0) | トラックバック(0)

ベナン最後の日

朝起きて身支度をしながら、今日がベナン滞在の最後の日だという実感がわいてくる。

仕事柄毎日いろいろな所に行っているせいか、人との別れといっても
いつか必ず-そしていつでも会えるだろうという安心感みたいなものがあるのだけれど、
さすがにベナンは遠く、そして知り合った人たちとも再び会うことは難しいだろう。
そんな事を考えるにつれて寂しさがおそってくる。

今日は夕方の飛行機のチェックインまで時間があるので、お土産を買いに連れて行ってもらう。

案内されたのは、民芸品を売るお店が集まったちょっとしたマーケットで、
案内してくれた人たちも意外と来たことがないらしく、色々と買い物をしている。
みんなネックレスやキーホルダーなどを買う。
値段の交渉もソトウさんやアジャホがやってくれるので助かる!

買い物が終わって、念のために早めに空港に行ってチェックインを済ませることにする。

日本で調べた時には、まだ帰りの便は空席が充分あったので、
行きみたいなことにはならないだろうと油断していたのだが、
なんと、帰りも僕だけチェックインできなかった・・・。

いろいろ話してみても「一般のチェックインを出発の1時間前に締め切るので、
それが終わってから受け付ける」の一点張り。
またあの不安な時間を過ごすことになろうとは・・・。

行きの時よりは任務?を達成したこともあって少し気は楽なのだが、
帰りにここで一人ぼっちにされても、それはそれで不安でたまらない。

最後の最後まで色々あるなー。

ひとまずホテルに帰り最後の荷物の整理と少し早い夕食をとる。
大量に持ってきたラケットやボールはすっかりなくなって、自分たちの荷物だけになったのも少し寂しい。

夕食を待っている間、サッカーのベナンユース代表の試合が、
昨日テニス教室をしたスポーツ施設の中にあるサッカー場で行われていて、
そのテレビ中継をベナンのスタッフたちと一緒に観る。
ここまで一緒にいてすごーくおとなしかった人たちまで、熱狂して観戦している。

結果は後半ロスタイムに奇跡的に追いついて同点にしたものの、
PK戦で負けてしまった。

食事が終わると、我々を取材をしてくれたGolfeTVが撮影したビデオを持ってきてくれた。
取材のときに一応「ビデオが出来たらちょうだい!」とお願いしていたのだが、
まず無理だろうなーと思っていたので嬉しかった!

でも記録されているのが今や日本ではほとんど見られなくなったVIDEO CDというのがシブすぎる。
それを見ながら皆でこれまでのことを語り合う。

そしてソトウさんがそのVIDEO CDの「即席贈呈セレモニー」をしてくれる。
「元気に家族のもとに帰ってください。サヨナラは言いません。今日でひとまずお別れですが、
ここからが私たちの関係の始まりです。」
そんなソトウさんの暖かいスピーチにジーンとした。

いよいよホテルを出発して深夜出発の飛行機に乗るために空港に向かう。


続く
日記 | 投稿者 しの 00:26 | コメント(0) | トラックバック(0)

ウイダーへ

食事が終わって、いよいよ観光へ向かう。
向かう場所はウイダーと言って奴隷貿易の行われた場所だ。

まずはブードゥー教の発祥の地と言われる寺を訪れる。
ブードゥー教というと呪いなどを連想するように、少しおどろどろしいイメージがあり、
実際にガイドをしてくれた若者は両頬に筋状の大きな傷があった。
聞いてみると、信者は赤ちゃんのときにナイフで傷を入れるとの事。
なんだか恐ろしい・・・。
でもベナンは基本的にこのブードゥー教の信者が一番多いらしい。

寺の中ではニシキヘビがたくさんいて、たぶんヘビ嫌いの人は耐えられない光景だと思う。
お約束というか、そのヘビを首に巻いて記念写真を撮る。

次に奴隷街道をたどって海に向かう。
ガイドの若者がこの奴隷貿易の悲惨さを我々に伝えてくれる。
アジャホが英語に訳してくれて、それでも分からないときはムッシュIに教えてもらう。

奴隷は最初は犯罪を犯した人だったが、途中からはいわゆる「拉致」と同じで、
普通に生活をしていた人が突然襲われ奴隷となり海外へ輸出されていった。
その数は5000万人にものぼり、およそ300年も続いたそうだ。

奴隷街道の途中には、その木の周りを7回まわれば自分の事や家族のこと、
そして怒りまでも忘れてしまうと言われた菩提樹がひっそり立っていた。

さらに進むと「帰らずの門」に到着した。
奴隷たちはこの門をくぐったのち船に乗せられアメリカなどの国に奴隷として送られ、
重労働をさせられていた。

当然、身動きも出来ないような船の中で亡くなってしまう人もいれば、
将来を悲観して船から自ら身を投げる人もいたという。
あまりに悲惨な話に一同言葉も出なかった。

門の先には高い波が押し寄せるきれいな砂浜があった。
写真を撮ってウイダーをあとにする。

海岸線に沿って車は爆走する。途中で牛の群れに遭遇するがお構いなしで、
牛に軽くぶつかり(ぶつけ)ながらどんどん進む。
ラジオからベナンミュージックが流れてくる。聞いたことのある歌だから、
言葉はデタラメだけど歌う。
ドライバーのコフィーも一緒に歌う。
コフィーはボブサップのようなイカつい風貌だが、とてもいい奴だ。

この海岸線は本当にきれいで、きっとリゾートにすれば素晴らしい観光地になると思うが、
漁師家族たちが地引網をしているような、このままの海岸でいてほしいいと思った。


ホテルに着いてクーラーの効かない部屋の人たちが直ったかどうか聞いてみると、まだとのこと・・・。
さすがに我慢できるわけもなく、最後の一晩だが部屋を変えてもらう事にする。

夕食は「お疲れさま会」になった。
食事が済んでも話は尽きず、ベナンのこと、テニスのこと、帰りに立ち寄るパリのこと、
そしてテニスクラブの将来についてなどなど、皆で熱く語り合う。
結局1時過ぎまでそうしていた。


あすはいよいよベナンを発つ。
だんだんと寂しさがわいてきた。


続く
日記 | 投稿者 しの 01:46 | コメント(0) | トラックバック(0)

最後のレッスン

ベナンに日記の更新をかなりサボっておりました。
ぼちぼち再開します。


今日は休日のせいか車やバイクの量が少なくて、
コトヌーの町もいつものスモッグ状態よりは少し空気が澄んでいるようだ。

午前中のこのレッスンが、ベナンでの最後のテニスレッスンになる。
到着してみると、立派なサッカースタジアムがある総合運動場のようなところだ。

コートのある施設に入っていくと、今までは見慣れないきれいなコートで富裕層の人たちが
きれいなラケットとボールでテニスを楽しんでいる。

どんどん奥に進んでいくと、四方をコンクリートの高い壁に囲まれた2面のテニスコートが現れた。
そこには100名は優に超える子供たちがいた。

「これはまた大変なレッスンになるな」と思っていたら、
コーチらしき人数名の掛け声で準備運動が始まった。

その準備運動がとても統制がとれていて・・・というか、かなーりハードな内容で、
今では日本ではやらなくなった「アヒル足」←ウサギ跳びみたいなもの
なんかもやっている。

途中からHコーチと僕がその準備運動の輪に入ってみる。
するといつもの「ヨボ、ヨボ!(白人?西洋人?の意味らしい)」の声がかかる。
現地語で「ヨボじゃなくて日本人で、名前は***!」と言うと、
みんな名前で呼んでくれた。

準備運動が終わって、Hコーチとデモストレーションをする。
僕たちの十八番の「2球同時ラリー(伝わるかな?)」は、日本のテニス教室でやるよりはウケた。よかった。

そのあとのレッスンは、2面を4ヶ所に分けて行った。
スタッフもみんなすっかり慣れてきていて、要領よくレッスンは進む。
このあたりは皆さん本当にすごいなと思う。

無事にレッスンが終わってコートをあとにするとき、クラブハウスのスタッフにジュースをご馳走になる。


すべてのレッスンが終わった報告に、省庁の施設を再び訪れる。
そしてここではるばる日本から持参した残りのラケットやボール、
ネットやテニス雑誌などを贈呈することになった。

大きな部屋には歴代のベナンの要人の写真がずらーっと飾ってあり、
GolfeTVのスタッフもまた来ている。
今回の放送も放映するのかと聞いてみると、放映は月曜日との事で、
残念ながらベナンを離れたあとになってしまう。

テニス用具の贈呈式や記者会見はムッシュIが完璧にこなしてくれた。
政府の方々もボールの1球1球までしっかり数えて受け取ってくれた。
これらがベナンのテニスの発展に役立てばと思う。

昼食は「Maman Benin」というレストランで食べる。
今まで現地っぽい食べ物をレッスンのために控えていたが、それも終了したので、
みんな思い切って怪しい?ものをオーダーする。

すでに調理済みのものを指差してオーダーして、あとはつけあわせを加えて出来上がりのはずなのに、
やっぱり出てくるまでにとても時間がかかる。
でもみんなすっかりアフリカ時間に慣れているので、誰も気にしなくなっていた。
・・・というか笑い飛ばせるようになっていた。

午後からはベナンのスタッフの人たちが、僕たちを観光に連れて行ってくれるとのことで、とても楽しみだ!


続く
日記 | 投稿者 しの 00:43 | コメント(0) | トラックバック(0)
<<  2009年 4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
最近のコメント
グリーングリーン!!…
グリー 01/21 16:50
ツイッターで始まる出…
ツイッター 12/28 10:36
最近のトラックバック
カテゴリ別アーカイブ
このブログサービスは「テニス365 テニスブログ」で運営しています。テニス365会員なら無料でご利用・作成いただけます。