2009年04月24日
最終回~ さよならベナン
あわただしくゾマホンさんと別れたあと、いよいよ出発の時間が迫ってきた。
アジャホのパソコンに、今回の滞在で撮った写真を転送する。
その多さにびっくりするとともに、4日間の思い出が次々とよみがえる。
歳を取ると涙腺が緩むというけれど、1万4千キロという距離は再会を誓うにはあまりにも遠すぎる。
何か話すと、そして目が合ったら泣いてしまいそうで、ずっとうつむき加減で交わす言葉も少なくなる。
とうとう搭乗開始の時間になる。
皆が一斉に立ち上がる。
お世話になった皆さんにお土産を渡そうと紙袋を持って顔を上げる。
笑顔のソトウさんの顔を見たとたん、涙があふれ出す。
どこかで冷静な自分もいて「いいオッサンがこんな事でウルウルして情けない!」
と自分を嘲笑しているのだけれど、とにかく言葉に詰まって何も伝えられない。
お土産も一人ひとりに渡したかったのだけど、できそうにない。
「・・・これは皆さんへのプレゼントです。申し訳ないけれど後で皆さんで分けて欲しい」
それだけしか言えず、ソトウさんと固く抱き合う。
そしてアジャホやベナンのスタッフの方々と次々と別れの挨拶が交わされる間も、
僕は一言も話すことができず、ただただ抱き合う。
ほかのみんながセキュリティーゲートを通過するのに遅れてゲートを通過する。
真っ赤な目の情けない顔を見られたくなかったからだけど、たぶんみんな気づいてると思う・・・。
振り返るとスタッフの皆さんが大きく大きく手を振ってくれている。
こちらもなんとか笑顔で手を振りかえす。
ここに来て、さっきはろくにお礼を言っていなかったことに気づく。
大きな声で、フランス語で、英語で、フォン語で「ありがとう」を叫ぶ。
4日前に到着したときには不安な気持ちで降りた飛行機のタラップを、
今夜は万感の想いで一歩ずつ上がる。
最後に待合室に向かって大きく手を振る。
さよならベナン。
飛行機はほどなく地上滑走を開始する。
職業柄?離陸する方向は分かったので、離陸する頃にきっと待合室やいつも見ていた
砂まみれの旅客機が見えると思い、左側の窓をずっと見続ける。
離陸滑走が始まり景色がどんどん流れていく中、待合室が目に飛び込む。
続けて機体が浮揚した次の瞬間、黄色がかった明かりの中に
毎日ホテルを出ると車の中から見てきた、その旅客機も見ることができた。
すーっと体から力が抜けるような不思議な感覚におそわれる。
ベナンで体験した色々な出来事を思い出しながら、眠りにつく。
目を覚ますとまだ空は暗いものの到着までにはあと少しらしい。
そしてパリでは雪が降っているとのこと。
エールフランスの寒い機内にいると、あのベナンの熱気がまるでうそのようだ。
まるでベナンでの出来事が夢だったようにさえ錯覚する。
あらためてこの旅が終わったことを実感する。
思い出すのはベナンの人たち子供たちの笑顔笑顔笑顔!
もしこの活動でテニスが少しでも普及してくれたとしたら。
そしてその便りを聞くことができたなら、
必ずまた皆さんに会いに行きます。
ありがとう!
おわり
アジャホのパソコンに、今回の滞在で撮った写真を転送する。
その多さにびっくりするとともに、4日間の思い出が次々とよみがえる。
歳を取ると涙腺が緩むというけれど、1万4千キロという距離は再会を誓うにはあまりにも遠すぎる。
何か話すと、そして目が合ったら泣いてしまいそうで、ずっとうつむき加減で交わす言葉も少なくなる。
とうとう搭乗開始の時間になる。
皆が一斉に立ち上がる。
お世話になった皆さんにお土産を渡そうと紙袋を持って顔を上げる。
笑顔のソトウさんの顔を見たとたん、涙があふれ出す。
どこかで冷静な自分もいて「いいオッサンがこんな事でウルウルして情けない!」
と自分を嘲笑しているのだけれど、とにかく言葉に詰まって何も伝えられない。
お土産も一人ひとりに渡したかったのだけど、できそうにない。
「・・・これは皆さんへのプレゼントです。申し訳ないけれど後で皆さんで分けて欲しい」
それだけしか言えず、ソトウさんと固く抱き合う。
そしてアジャホやベナンのスタッフの方々と次々と別れの挨拶が交わされる間も、
僕は一言も話すことができず、ただただ抱き合う。
ほかのみんながセキュリティーゲートを通過するのに遅れてゲートを通過する。
真っ赤な目の情けない顔を見られたくなかったからだけど、たぶんみんな気づいてると思う・・・。
振り返るとスタッフの皆さんが大きく大きく手を振ってくれている。
こちらもなんとか笑顔で手を振りかえす。
ここに来て、さっきはろくにお礼を言っていなかったことに気づく。
大きな声で、フランス語で、英語で、フォン語で「ありがとう」を叫ぶ。
4日前に到着したときには不安な気持ちで降りた飛行機のタラップを、
今夜は万感の想いで一歩ずつ上がる。
最後に待合室に向かって大きく手を振る。
さよならベナン。
飛行機はほどなく地上滑走を開始する。
職業柄?離陸する方向は分かったので、離陸する頃にきっと待合室やいつも見ていた
砂まみれの旅客機が見えると思い、左側の窓をずっと見続ける。
離陸滑走が始まり景色がどんどん流れていく中、待合室が目に飛び込む。
続けて機体が浮揚した次の瞬間、黄色がかった明かりの中に
毎日ホテルを出ると車の中から見てきた、その旅客機も見ることができた。
すーっと体から力が抜けるような不思議な感覚におそわれる。
ベナンで体験した色々な出来事を思い出しながら、眠りにつく。
目を覚ますとまだ空は暗いものの到着までにはあと少しらしい。
そしてパリでは雪が降っているとのこと。
エールフランスの寒い機内にいると、あのベナンの熱気がまるでうそのようだ。
まるでベナンでの出来事が夢だったようにさえ錯覚する。
あらためてこの旅が終わったことを実感する。
思い出すのはベナンの人たち子供たちの笑顔笑顔笑顔!
もしこの活動でテニスが少しでも普及してくれたとしたら。
そしてその便りを聞くことができたなら、
必ずまた皆さんに会いに行きます。
ありがとう!
おわり