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テニス教室 in 西アフリカ・ベナン共和国 テニスにはじめて触れる人たちへテニスの楽しさを紹介するために、西アフリカ・ベナン共和国に行ってきます!

しの
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テニス教室が大騒ぎ

ポルトノボの町を車で爆走して目的地に到着した。

僕たちはベナンにはテニスコートがほとんどないと聞いていたので、
簡易ネットも用意してきたのだが、到着したそこにはテニスコートがあった。
「良かった!」と安心するのもつかの間、ものすごい数の生徒が目に飛び込んでくる。
朝の打ち合わせの話では100名と聞いていたが、どう見ても200人いる。

とにかくやるしかない、と車を降りて準備をする。
この時点でものすごい歓声が上がる。まだ何もしてないっちゅうねん!
そしておもむろにHコーチとラリーを始める。
1球ごとに大歓声でミスをすると笑い声。「なかなかノリがいいな」とこちらもテンションが上がる。

ひと通りのショットを披露したあと、フォン語で挨拶と名前を言う。
おかげさまで子供はすぐリアクションしてくれた。
そして少し離れた2つのコートに分かれてレッスンを開始する。

・・・ここからが大変だった。

僕は高学年を担当する。おそらく小学校高学年くらいだろうか。
日本でのテニス教室と同じ感覚で「ひとり1個ボールを箱から取って」
と言った瞬間!
ドドドーーッ!とダンボールに向けて子供たちが突進する。
ダンボール近くの子供は倒されて折り重なり、僕も危うく倒れそうになる。
近くで見ていたNさんは「よくあそこから脱出できたね」と唖然としている。

うまく取ることができた子は1個どころか何個もボールを取ってしまう。
しかもこっそり自分のリュックに入れる子もいて、さすがの陽気なソトウさんも怒り狂っていた。

やっぱりやり方が悪かった。最低限のボールとラケットでテニスを体験してもらうことに変更する。

しかしここでまた問題発生!

いろいろ指示を出そうにも、通訳はアジャホひとりだけ・・・。
僕がいくら叫んでも子供たちには伝わらない。
しかもアジャホは隣のコートにいる・・・っていうか隣が遠すぎ!
気が遠くなりそうだったが、身振り手振りでなんとか進める。

手出しのストロークをやってみたが、みんな運動能力が高いので驚く。
空振りする子はいない。ちゃんとバウンドしてから打つことも難なくこなす。

ちゃんと始まってしまえば陽気ないい子ばかりなのだが、ちょっとした時にこっそり話しかけてきて
「僕だけにラケットちょうだい」「ボールちょうだい」ってくるのには、はじめは困ってしまった。
もちろん、ラケットやボールが貴重品なのはよく分かるけど、
僕たちが単なる物をあげるおじさんたちだと思われているのなら、それは悲しいことだ。
そう思われないよう、テニスの楽しさを感じてもらえるよう、言葉は通じないけど楽しくレッスンをする。

隣のコートではHコーチとOさんが手出しストロークをしていた。
御年76歳になるOさんは周りの騒動にも動じず、ひたすら子供たちにボールを出している。
ベナンには年上を敬う文化があるのだろう、
Oさんに対しては子供たちだけでなく大人も一目置いている様子だ。

しかしネットの反対側では打ったボールを拾おうと子供たちが暴走気味になっている。
そしてそれを抑えるためだろうか、いつもの事だろうか、
木の枝やムチみたいなものを持った先生が、生徒を叱っている。日本だったら大問題だ。

そんなこんなで時間になり、レッスンは終了する。
生徒たちはベナン風「前へ習え」をしたあと学校に戻っていく。

肉体的・精神的疲れを感じながら後片付けを済ませ、持って来たラケットとボールの一部を寄付する。
その時、このコートの主みたいなおっちゃんが「俺も手伝いしたからラケットくれ」と言う。
まあ~手伝ってくれたし、と1本渡す。
そして校長先生に5本を渡す。そうしたら、
「5本じゃキリが悪いから6本ちょうだい」と言ってくる・・・。

大人も同じか~!!

・・・一同疲れきってホテルに到着する。
ベナンの人たちはみんな親切で穏やかな人たちなのだが、あのようになるのは
僕たちのレッスン方法に問題があると、夕食のミーティングで反省する。
ラケットやボール、そして飲用水などを目に付くところにたくさん置いていたのはやはり良くなかった。
必要最低限の道具を使って、可能であればコート1面だけでレッスンをしようと作戦を立てる。

入念なミーティングにもかかわらず、いまだに料理は運ばれてこないが、
この頃にはみんなアフリカ時間に順応してきてぜんぜん気にならなくなる。
しぶ~い赤ワインをみんなで飲みながら夜中まで話は弾み、また明日がんばろう!と励ましあう。

レストランを出て部屋に帰るまでの、まだ昼の暑さが残る階段を上りながら、
ふと自分がここにいることが不思議で、夢を見ているような気分になる。
そして急に、日本でベナン大使からテニス教室を依頼されてからここまでの道のりが鮮烈によみがえる。
「本当に来たんだなぁ」と感慨深くなる。

今日は色々あったけど充実した一日だった!
日記 | 投稿者 しの 00:08 | コメント(0)| トラックバック(0)
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